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これ買いました:東浩紀「クォンタム・ファミリーズ」(小説) [本]

ん、東浩紀が小説?と本屋で見つけて訝ったけど、評判良さそうだったので期待せずに買ってみた。

ひと言で言えば、パラレルワールドもの。複数の平行世界を舞台にした、主人公の男性とその家族を巡る物語。作者の構築する作品世界の作り込み度合と、息をつかせぬけっこうドラマチックな物語にずっぽり飲み込まれた。

10年くらい前に手に取ったデリダ関連の評論はさっぱりだったけど、こっちの小説は超おもろい。

近未来の描写、量子回路や波動関数が云々かんぬんといった平行世界の設定から、時空が交差する物語展開まで、とにかく緻密で難しくて、読み進めるほどに混乱してついていけなくなる。矛盾しているようだけど、それも含めて面白くて、説明したらこれから読む人にもったいないと思えるほどだった。

ちなみに、こういうのが逐一理解できなくても、出来事はつかめるし問題なく楽しめるので安心ですたぶん。


この作品に限らず、パラレルワールドを用いた作品には面白ものが多いなぁと常々思っていたけど、その理由はこの小説の中でも語られる、村上春樹の「35歳問題」的なことに起因するのかもしれないと、余計な感傷を自覚させられた気もする。はぁ。

パラレルワールド - wikipedia


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