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これ行きました:浅間山 [Etc]

浅間山は長野県と群馬県の県境に位置する活火山で、日本の百名山のひとつ。この春に登山規制が緩和されたので、火口にほど近い前掛山まで行ってきた。ちなみに登るのは3度目だけど、前掛山まで行ったのは初めて。

これまで関東近隣の山には幾つか登ってきたけど、自分の経験の範囲で思う浅間山の魅力は、“疲労対効果”がとても高い点だと思う。

ドコまで行っても似たような森林風景に、飽きてしまう山はけっこう多いが、浅間山はまずそういうことが無い。標高2,500m超で、登るのもそれなりに大変なのだけど、高山かつ活火山という環境もあってか、かかる苦労以上に、立ち現れる風景がバリエーションに富んでいる。次から次へと、めまぐるしく景色が変わるのでとても面白く、非常に登りがいがあるなぁと思える山。

そんな景色の移り変わりを、大きく4段階に分けると以下のような感じ。

1.森林地帯
ふもとにある浅間山荘からスタートし、途中で火山館という山小屋を経由する「火山館コース」。深い緑に囲まれた登山道が続く道のり。


木洩れ日と鳥のさえずりで、なんとも心地よい森林…などと都会に慣れてしまった今でこそ思うが、長野に住んでいた頃はなんの変哲もない日常風景。

ゼンマイの道。

スミレかな。

足場はそれほど悪くない。黒斑山を経由する「黒斑コース」より、こちらの方が楽な気がする。

2.亜高山帯
だいぶ登って森を抜けると、だんだんと高山っぽい、いかにもな景色になってくる。いつの間にか針葉樹に様変わり。周囲の尖った山々も見もの。


この辺はカモシカが出没するらしい。

鼻をつくむとーはっぷ硫黄の臭い。もう少し進むと、この赤茶色の液体が染み出ている岩壁が見られる。

日光が届かない場所では、5月でもまだ雪が残っている。昨年、GW期に登った際はもっと雪が深くて、膝までズッポリ埋まってしまい泣けた。

3.森林限界
針葉樹の中を登っていると、だんだん木々の高さに変化が出てきて、小低木ばかりの高山帯へ。殺伐とか寂寥とか、そういう言葉が浮かんでくるような風景が立ちあらわれてくる。


葉の緑が無くなり、絵的にも寒くておどろおどろしい雰囲気が漂い始める。実際、近くには「賽の河原」(三途川の河原)と呼ばれるエリアもあって、石とか積んであってなかなか怖い。夜来たらホントに鬼が出そう。奥に覗いてるのは浅間山の頂上。

だんだんコケのような低草ばかりに。大きめの岩が瓦礫のように転がっており、足場の悪さが気になってくる。歩きにくい。

振り返れば絶景。カルデラのくぼ地の向こう側に、外輪山である黒斑山などの稜線を望む。

黒斑山から続く外輪山の稜線。この稜線も渡ったことがあるが、滑落しそうでかなり怖い。下のくぼ地には外輪山に向かう人影が米粒のようなサイズで見えるが、この辺に来るともう、壮大すぎてスケール感が完全に狂う。中国の山奥とか他の惑星とか言われても信じてしまいそうな光景。

4.頂上付近
完全に植物が失われた、岩だけの地帯に。景色はやや単調になるが、活きた本物の火山に来た、という実感がある。


歩きにくくて仕方がない。ここまで来ると、道もない。ただの火山岩だらけの場所。

いざという時のためのシェルター。効果のほどは不明。

火口付近もカルデラ状になっており、前掛山がぐるっと囲う。写真の奥が前掛山の頂上。稜線に見えるポツポツは登山者。

火口。関東一円に、灰の雨を降らせた元凶。“ゴ、ゴゴゴ…ボゴッ、ゴポゴボゴポ…”という地鳴りのような音が響いていて、シャレになってない。たまに岩が滑落して、呑みこまれていく。山が生きてる。見てはいけないものを見てしまった感じ。

という感じで、浅間山はふもとの山荘からスタートして日帰りでも十分、行ける距離(可能であれば宿泊した方が楽だけど)。今回は山荘からの往復で約7h。自分のような初心者でも行ける道のりに、ほどほどの疲労で、これだけの風景の移り変わりを体験できるのはやっぱりおトクな気がする次第。

おまけスライドショー。


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