男子新体操部が舞台の青春小説。縁あって購入。
- 作者: 南々井梢
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- Amazon.co.jpで詳細を見る
男の新体操はあまりにカッコ悪く、そして虐げられるということで、男子新体操部に所属する高校生たちが、先輩や顧問の目を盗んで部の転覆を決意。HIP HOP部への転向を画策して、あれやこれやとおバカな計画を進めるストーリー。
男の新体操というのはまったく知らなかったけど、その辺も丁寧に(新体操とはどれだけマイナーなのかを)説明してくれてます。野球やサッカーといったメインストリームではなく、日陰で女っ気のない、情けない方の青春に所属する高校生たちが、周囲からの蔑みに腐ったり、発起するも想定外の展開に引っ込みがつかなくなったり…と、彼らのダメさ加減に笑いつつも共感してしまう感じ。
おバカな会話や発想、高いテンションに引き込まれてあっという間に読了。自分はなんとなく、矢口史靖映画みたいな絵を想像しながら楽しめた。
いささか自虐的すぎるきらいもあるのだけど、なにより、そういう虐げられた立場から一発、逆転してやろうという心意気は、何ものにも通じる普遍的な魅力だなあと強く思った次第。