英国の地方に残る保存鉄道の、駅舎で飼われている(住みついている)ネコを取材した本。日本でも、猫の駅長(たまちゃん)が話題になってましたが、あれの英国版みたいな感じ…?

テーマが「英国」「猫」「鉄道」とあまり脈絡の無さそうな組み合わせなので、著者(知り合い)が趣味を強引にこじつけたものと思ってたのですが(失礼!)、英国の駅舎では昔、ネズミ退治に猫を飼うことが多かったらしく、駅舎&猫の組み合わせは、実はそれなりに歴史的背景があったようです。駅猫がテーマの絵本シリーズや画家もいるようで、一般にも馴染み深い組み合わせなのかもしれません。

日本でも猫の駅長が話題になってましたが、この本で紹介するのはそういうお祭りノリの猫ではなくて、ごく普通の猫です。著者とカメラマンが地方を巡りながら、駅舎で人々と交流する日常の姿を、ほのぼのと紹介しています。駅猫という役職柄(?)、毛並みのキレイな血統種というより、逞しい半野良な猫ばかりですが、しぐさをよく捕らえた写真が多くてかわいいです。

取材先は、いずれも地方の保存鉄道という一度は廃線になった鉄道を観光用に復活させた路線ばかりなのですが、地域のボランティアで鉄道を運営しているらしく、そういう取り組みが各地であるというのにも驚きました。保存鉄道というだけあって、駅舎も汽車も年代物のレトロな雰囲気で、なんだかタイムスリップしたみたいな感じ。こんな田舎で猫と戯れながら少しのんびりしたい...と思うようなほのぼの本です。